あの剣山みたいないっぱい針がついてるやつで赤ちゃんの小さい腕に刺すのは想像しただけで痛々しいですね。。。でも先人がアイデアを出し、考え抜いた最大公約数の方法なので、ありがたいと思わねば。
予防接種に関しての歴史を読んでると、おもしろい話がいっぱい出てきます。その昔、天然痘は今のコロナ以上に人類をおびやかす病気だったようです。致死率が30〜50%もあり、コロナの比ではありません。なんとか予防できないものかと昔の学者さんは考えました。
天然痘にかかったけど生き延びた人は、再びかかることはないことを経験上わかっていたので、わざと天然痘に感染させたらいいんじゃないかと思ったわけです。この考え方が現在のワクチンに連綿とつながってるのですが、当然現在と違ってやり方は雑です。患者の発疹から出た膿を健常な人の皮膚にキズをつけてなすりつけるといったものでした。現在のようにウイルスを弱毒化する技術なんてないので、そのままの病原体がカラダに入ってきたら、そりゃ天然痘になるでしょう。これで発病したけど軽くですみ、後遺症も残らなかった人が多かったのなら定着したのですが、いかんせん死亡者が多く出すぎました。
この方法ではダメだと、次に目をつけたのが酪農家でした。牛を飼っている農家の人々は天然痘にかからないので、以前より知られていた牛型天然痘が効いてるんじゃないかと。牛痘は人間にかかってもそれほどひどくはならないとのことです。そこで、牛痘にかかった牛からとれた膿を健常人に接種した(これもスゴいこと!) そしたら発症しても軽くですみ、人の天然痘にはならない!これを実行したジェンナーという人は自らが天然痘にかかってしまうかもという危険をかえりみず、人々に奉仕しました。それが現在のワクチン開発につながっているのです。
観察力や、目の付け所が違いますよね。そうかもしれないっていうアイデアが浮かんで、それだけでも凄いことなのに、それを実行に移すなんて!しかも人での実験。もちろん現在ならいろんな世間の目があり難しい部分もあるんでしょうけど。
しかし怖がっていては先に進めないし、考えることを停止させることは人類の存亡にかかわること。と、その当時ジェンナーが思ったかどうかはさだかではありませんが、常に観察力、実行力、そして奉仕の精神の持ち主が人類を救ってきたんだなと思います。発熱患者はウチでは診ませんってつっぱねてるどこかの医院の院長には、ジェンナーのツメの垢を煎じて飲んでほしいです。
私も啓蒙という小さなことでしか社会に貢献できませんが、なんとか社会貢献の一端を担うような活動をしたいです。